【財務の武器 vol.4】「うちの人件費、高いですか?」と聞かれたら、どう答えますか

こんにちは、公認会計士の小松です。

社長から、こう聞かれたことはありませんか。

「うちの人件費、高いのかな?」

この質問に、自信を持って答えられる
営業マンはほとんどいません。

「業界平均と比べると……」と曖昧に返すか、
「ちょっと調べてみます」とかわすか。

今回は、この質問に一発で答えられる
たった1つの指標をお伝えします。

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「うちの人件費、高いですか?」
と聞かれたら、どう答えますか
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答えに使うのは、「粗利益人件費率」です。

計算式は、人件費 ÷ 粗利益 × 100。

稼いだ粗利益のうち、
何パーセントが人件費に使われているかを表します。

vol.1でご紹介した「粗利益率」は、
売上から変動費を引いた後に残る稼ぐ力の割合でした。

今回の「粗利益人件費率」は、
その稼いだ粗利益を、人件費にどれだけ配分しているか。
会社の体力配分を見る指標です。

【なぜ「売上に対する人件費率」ではダメなのか】

「人件費率」というと、
多くの方が売上高に対する割合を思い浮かべます。

でも、売上に対する人件費率は
業種によって大きく異なります。
卸売業なら5%台、サービス業なら40%台。
数字だけ見ても、高いのか低いのか判断できません。

ところが、粗利益に対する人件費率は、
全業種で共通の目安が使えます。

50%前後なら適正。
60%を超えると人件費が重い。
40%以下なら社員への還元余地がある。

業種に関係なく、この基準が当てはまるのです。

【社長に刺さる伝え方】

「社長、御社の粗利益人件費率は約65%です。
 つまり、稼いだ粗利益の65%が人件費で消えています。
 残り35%で家賃、借入返済、設備投資、
 そして利益を全部賄っている状態です。
 目安としては50%前後が理想と言われていますので、
 少し重い水準ですね」

こう伝えると、社長はこう返します。

「じゃあ、人を減らせってこと?」

ここが腕の見せどころです。

「いえ、人を減らすという話ではありません。
 人件費が重いということは、
 裏を返せば粗利益が足りない可能性もあります。
 売上を伸ばすか、粗利益率を改善するか、
 人件費を見直すか。選択肢は3つあります」

この瞬間、会話が「保険の営業」から
「経営の相談」に変わります。

【実は、社長が一番気にしている数字】

私がこれまで出会った社長の中で、
「人件費」を気にしていない社長は
一人もいませんでした。

人件費は社長にとって最も身近で、
最も判断に迷うコストだからです。

「社員の給料を上げたい。でも利益が残らない」
「採用したいけど、これ以上人件費を増やせるのか」

この悩みに対して、
「粗利益人件費率」という物差しを渡してあげる。
それだけで、社長はあなたのことを
「数字がわかる人」として信頼し始めます。

【今日のポイント】

vol.1の「粗利益率」は、会社の稼ぐ力。
vol.3の「損益分岐点比率」は、会社の体力。
今回の「粗利益人件費率」は、会社の配分バランス。

この3つの数字を語れるだけで、
社長との会話の深さは別次元になります。

次に社長と会うとき、
「御社の人件費、粗利益の何パーセントくらいですか?」
と聞いてみてください。

社長の隣の「経営相談の椅子」が、
また一歩近づきます。


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この記事を書いた人

公認会計士・税理士。EY新日本監査法人、プルデンシャル生命を経て、株式会社スリーハートを設立。「財務読み解き道場」を主宰し、保険代理店向けに財務顧問シェアリングサービスを提供している。

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