こんにちは、公認会計士の小松です。
vol.1から5回にわたって、
PLに関する数字やツールをお届けしてきました。
粗利益率、損益分岐点比率、粗利益人件費率、
そしてストラック図。
これらを使って社長と会話されている方も
増えていると聞いています。
ただ、今日は少し厳しいことを言います。
PLだけでは、会社の半分しか見えていません。
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PLだけでは、会社の半分しか見えていない
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【PLとBSは「成績表」と「財産リスト」】
PLは、1年間の「お金の流れ」を表しています。
いわば会社の成績表です。
一方、BS(貸借対照表)は、
決算日時点での「財産の蓄積」を表しています。
いわば会社の財産リストです。
PLが「今年いくら稼いだか」を見せるのに対し、
BSは「これまでに何を持っていて、
そのお金はどこから来たか」を見せます。
この2つを両方見て初めて、
会社の全体像が見えるのです。
【BSの仕組みは、マイホームで考えるとわかる】
BSは難しそうに見えますが、
構造は驚くほどシンプルです。
マイホームに例えると一発です。
左側:会社の持ち物(=社長が買った家)
右上:後で返すお金(=住宅ローン)
右下:返済不要のお金(=頭金)
これだけです。
左側の「持ち物の合計」と、
右側の「お金の出所の合計」は必ず一致します。
だから「バランスシート」と呼ぶのです。
【BSを見るだけで、会社の体質がわかる3つの数字】
BSの中で注目すべき数字は、3つだけです。
① 現預金 ── 手元にどれだけキャッシュがあるか
② 借入金 ── どれだけ借金を抱えているか
③ 純資産 ── 返済不要の自己資金がどれだけあるか
この3つのバランスを見るだけで、
会社の体質が一目でわかります。
たとえば、総資産に対して
現預金が5%しかなく、借入金が80%を占めている会社。
これは「手元に現金がほとんどなく、
借入に依存している」状態です。
逆に、現預金が40%以上あり、
借入金がゼロ、純資産が80%の会社。
これは「無借金で、キャッシュも潤沢な超優良企業」です。
ほとんどの中小企業は、
この2つの極端な例の間のどこかにいます。
【なぜ保険の営業マンがBSを見るべきなのか】
PLだけ見ている営業マンは、
「今年の利益」しか語れません。
でも、BSを見れば、こう語れるようになります。
「社長、御社のPLは黒字ですが、
BSを見ると現預金が総資産の8%しかありません。
借入金は総資産の60%を超えています。
つまり、PLの数字ほど会社の体力は強くないんです」
この一言で、社長は
「この人は、うちの会社の本質を見ている」
と感じます。
PLは「今年」の話。
BSは「これまでの蓄積」の話。
社長が本当に気にしているのは、
「今年いくら稼いだか」よりも、
「うちの会社は、本当に大丈夫なのか」です。
その問いに答えられるのが、BSなのです。
【今日のポイント】
決算書には2つの顔があります。
PLは「稼ぐ力」、BSは「蓄えた体力」。
社長との会話で、
PLの話しかできない営業マンは多い。
BSの話までできる営業マンは、ほとんどいません。
だからこそ、
「社長、BSも一緒に見せていただけますか?」
と言えるだけで、差がつきます。
次回以降、BSから読み解ける
具体的なリスクについてもお伝えしていきます。

